通貨にはいろんな顔がある。サポート通貨がひらく新しい世界

僕らはふつう、自分は「通貨」をよく知っていると思っています。

なんといってもある程度の年齢になってからは毎日使っているし、お金に意識を向けない日はそうないのだから当然です。

 

十一面観音

十一面観音みたいなイメージ(笑)

例えるなら通貨は「今も毎日顔を合わせる、古くからの友人」といったところでしょうか。でも、そんな友人にもあなたが知らないだけの、別の側面があっても不思議ではありません。

 

今日はそんな「よく知っているはずの通貨が持つ、別の可能性」に焦点を当てたいと思います。

 

 


通貨(貨幣)とは経済学的には

・価値を計るもの
・価値を保存できるもの
・価値の交換を促進するもの

などと言われています。言われてみると「なるほど、もっともだなー」と思うものばかりです。
そして通常貨幣が語られるときはこの3つの機能についての話題がほとんどですが、こうしたよく知られた”顔”のほかに、貨幣にはそれが流通する共同体(コミュニティ)を定義する力があります。

 

古くからコミュニティ通貨(日本では地域通貨、の名称のほうが通りがよいです)というものが存在しています。

 

・例えばお互いを助け合う活動を、時間単位でやりとりするタイムダラー(アメリカ)
・地産地消を推進するための通貨であるキームガウアー(ドイツ)
・野菜やパンをはじめ自然界のものはすべて時間がたつと腐るように、お金も時間とともに価値が減るようにデザインされたゲゼル通貨

 

など、実に多くの取り組みがあります。

 

これらの例からもわかるように、コミュニティ通貨には「ある価値観を大事にしている人たちの範囲を明確にして、経済的なつながりを持たせることによって、 共同体を生み出し、強化する」面があるのです。

 

ちょっと長いたとえ話(妄想?笑)にお付き合いください

例えば日本という国には、日本円という公共の通貨があります。この日本円を使う人たちの価値観、思想は非常に多様です。

 

その中から僕がもっと「持続可能性」を大事にしたいと願い、想いを同じくする仲間と「グリーン円」なるコミュニティ通貨(ベタでかっこ悪いけど笑)を作ったとします。

 

僕は仲間たちと「グリーン円」の持続可能性という理念に共感してくれて、かつ商品が「グリーン(=持続可能)」なお店をたくさん見つけていきます。そしてグリーンなお店がある一定数集まります。

 

僕らは他のお店ではなくてなるべくグリーンなお店で買い物をします。

 

一方、グリーン円を受け取る店主たちも、この理念に共感していますからグリーン円をやっぱり他のグリーンなお店で使うようになります。

 

こうしてグリーン円を使うことは持続可能性という理念の実現そのものになっていきます。

 

そうこうするうちに、この動きを聞きつけた新しい共感者が消費者として参加してきます。
店主たちも増えるでしょう。そして店主は消費者でもありますから、またグリーン円を使います。
こうして小さな小さなグリーン経済圏が徐々に形作られていきます。このプロセスでは、つまりグリーン円が使える範囲=グリーン理念に共感する共同体、となっていきます。

 

これはまさにコミュニティ通貨が「ある価値観を大事にしている人たちの範囲を明確にして、経済的なつながりを持たせることによって、共同体を生み出す」という現象です。
グリーン円は”お金を使う範囲が決まること”が重要なので、全額をグリーン円で売買せずに日本円とMIXして使われる程度で十分に機能するでしょうし、実際に現存の地域通貨でもそれは実証されています。

 

(この段階になると、当然理念には共感していないけれども利益が上がればいいや、と思う人たちも参加してくるはずです。そこはおそらく認証制度のようなものや、相互依存の関係性の中でのコミュニティの自浄作用のようなもので質が保たれていきます)

 

こうして生まれた”グリーン経済圏”は僕らの社会の新しい”芽”でもあります。僕らの社会の新しい可能性と言ってもいいでしょう。

この芽が主流になりえないのなら、やがて一時の流行が過ぎ去り、グリーン円の流通速度も落ちて経済圏自体が解体されていきます。
一方、この芽が多くの人を引きつけ共感を得ていくならば、やがてその経済圏は日本国全体の経済圏と一致していくはずです。その段階ではグリーン円という特殊な通貨の役割が終わって、日本円だけで経済圏が成り立っているかもしれません(逆に日本円がなくなってグリーン円が法定通貨になっていても意味はおんなじです)

 

こうしたストーリーを想定するなら、芽が成長するにせよ枯れるにせよ、コミュニティ通貨が価値を発揮する期間は限定的なのかもしれません。

 

(そうではなくてごく小さな経済圏が存続し続ける形を想定することもできます。おそらく”地域”をキーワードにした地理的に限定されたコミュニティ通貨はこちらのほうになると思います)

 


 

 

いろいろ書いてきましたが、僕はコミュニティ通貨には「こんな経済や社会がいいなぁ」という理念を一定量集めて、プロトタイプとしてかたち作り、社会全体にその価値を問うていく機能があると考えています。
それは今ある”地域”通貨よりももっと理念的であり、地理的な制約を受けない”理念”通貨のようなものです。

 

ちなみに理念通貨というとなんだか暑苦しいので、
「こんな経済や社会がいいなぁ、を形作るサポートをする」という意味で「サポート通貨」と名付けてみました。
少し余談ですが、サポート通貨は先のとおり地理的な制約をうけず、理念や価値観の結びつきの上でなりたつので、ネット上でやりとりできる仮想の電子通貨がbetterだと思います。電子通貨は今やSuicaやICOCAでわかるとおり、非接触型ICカードがあれば対面の決済にも使えますからね。

 

まとめるとこんな風に言えます。

 

①サポート通貨は「ある価値観を大事にしている人たちの範囲を明確にして、経済的なつながりを持たせることによって、共同体を生み出し、強化する」機能を持つ

 

②その価値観が現実化された状態を新しい社会の芽とみるならば、サポート通貨は「新しい価値観がカタチを持つための補助輪」である。また別の言葉で言うならば「社会のさまざまな可能性の”芽”を育てるための保育器」のような役割を果たす

 

近々この実証実験を50人くらいでしたいと思っています。

 

ちなみにそうなると農家とか食料を生産している人の参加がどうしても欲しい。
いなくても成り立つけど、社会システムのプロトタイプとしてはどうしても欲しい。

 

それとエンジニアの協力、これは不可欠。心当たりがある人は自薦他薦を問いませんので、お気軽にお声がけください。

(というか今日の文章読んで僕にコンタクトしてみたいと思う人には、誰であれぜひお話してみたいです)

 

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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